なんであの人は痩せてるのに、私は太るんだろう?
夫と同じ食事をしてるのに、私だけ太っていく。
私と同じものを食べている妻は何ともないのに、僕だけが糖尿病ってどういうこと?実は、これは患者さんから本当によく聞かれる質問です。
一言でいうと「体質の違い」ですが、それだけでは納得できないのもよくわかります。
今回は、管理栄養士としてよく聞かれるこの疑問に、少しだけ深掘りして答えてみたいと思います。
「なんで同じものを食べているのに、太る人と太らない人がいるの?」10の理由
① 食べたあとの“使い方”が違うから
人の体は、同じカロリーでも「使い方」が違います。
エネルギーとして使える人もいれば、脂肪として蓄える人もいます。これには基礎代謝や筋肉量、遺伝が影響しています。
② 男性と女性の“設計図”の違い
男性は筋肉量が多く、代謝が高め。女性は脂肪をためこみやすくなるような体の仕組みを持っています。夫婦で同じ食事をしても、女性の方が太りやすいのは、ある意味自然なことです。
③ “ちょっとした活動量”が影響している
日中の立ち仕事、階段の上り下り、家事の量。こうした「小さな動きの差」が、1日で数百キロカロリーにもなることがあります。
貧乏ゆすりをしている人は痩せている人が多いイメージがありませんか?無駄にカロリーを消費している証拠です。
④ ホルモンの変化に影響される
女性は月経や更年期などでホルモンバランスが大きく変化します。これにより食欲や脂肪のつき方も変わるため、ある時期から急に太りやすくなることもあります。
⑤ 腸内環境の差
腸内細菌の種類によって、栄養の吸収のされ方が違うということが近年わかってきています。腸内環境が整っている人は、太りにくく、代謝もスムーズになりやすいです。
⑥ 無意識の“ちょい食べ”や調味料
自分では「同じものを食べているつもり」でも、調味料の量、食べるスピード、食事の順番など、無意識の食行動に差があることも。
意外と穴場なのが、調味料のカロリー。
ドレッシングやマヨネーズのカロリーはちりも積もって山になります。
⑦ 睡眠とストレスの影響
ストレスや睡眠不足は、ホルモンを乱して太りやすくすることが分かっています。自律神経のバランスが崩れると、脂肪をためこみやすくなってしまうのです。
⑧ 年齢とともに代謝が落ちる
20代と40代では、基礎代謝は1日で100〜300kcalも違うことも。昔と同じ食事でも太ってしまうのは「変化している証拠」なのです。
⑨ 血糖値の上がり方が違う
糖尿病になりやすい人は、食後に血糖値が急上昇しやすい体質であることも。これにより、血管へのダメージや脂肪の蓄積が起こりやすくなります。
⑩ 努力が報われにくい体質がある
本当に頑張っているのに、体に変化が出にくい。そんな方もいます。
でも、それはあなたが悪いのではなく、「変化しづらい体」に対して向き合っている証拠。見えないところで、体はちゃんと応えてくれています。
【締めの言葉】
「体質が違う」で片づけられると、つらいですよね。
でも、違いを知って、自分に合った方法を見つけることで、ちゃんと変わっていけます。
自分を責めずに、まずは自分の体を知ることから始めてみませんか?
あなたの努力が、報われますように。
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