精神科の病気その5ストレス関連障害ってなに?〜心が「がんばりすぎた」ときに起きること〜

精神科の病気5食事のメンタルヘルス

こんにちは、私は精神科で管理栄養士をしています。

精神科の病気について、管理栄養士の目線で解説しています。

今回のテーマは「ストレス関連障害」です。
うつ病や不安障害の影に隠れていますが、実はかなり多いのがこのタイプ。
職場の人間関係、子育て、受験、引っ越し…「私もそれあるかも」と思う人、意外と多いのではないでしょうか。

「ストレスが原因で心が限界をこえた」そんなときに起きる障害

ストレス関連障害とは

「ものすごく大きなストレスがあって、それが原因で心と体が不調になった」

1. ICD-10(WHO 国際疾病分類)

「ストレス関連障害(F43)」とは、
「例外的または非常に強いストレスに対する反応であり、症状は通常、ストレス因子への曝露後に短期間で出現する。」
(出典:WHO ICD-10 精神および行動の障害 診断ガイドライン)



2. DSM-5(アメリカ精神医学会)

適応障害は「認識可能なストレス因に対する感情的または行動的症状が生じ、それが日常生活に著しい障害をもたらす」
(出典:DSM-5 精神疾患の診断と統計マニュアル)

ストレスって、適度なら必要なものなのです。
仕事の締切、試験、人前に出る緊張。
でも、それが強すぎたり、長すぎたり、突然だったりすると、心が「もうムリ!」ってなって壊れます。


こんな症状が出ることがあります

  • 夜眠れない、寝てもすぐ目が覚める
  • イライラしたり、泣きたくなったり
  • 集中できない、やる気が出ない
  • 食欲がガタガタ(食べすぎ・食べられない)
  • フラッシュバック(思い出したくないのに思い出す)

代表的なストレス関連障害

① 適応障害

ストレスの原因が「ハッキリ」してるのがポイント。
たとえば…

  • 転職して人間関係がきつすぎた
  • 子どもが不登校になった
  • 親の介護が急に始まった

→ そのストレスにうまく「適応」できず、心と体がダウン。

② PTSD(心的外傷後ストレス障害)

命の危険を感じるほどの出来事がきっかけが多いです。

  • 大きな事故
  • 災害(地震や火事)
  • 暴力や虐待

そんな体験のあと、「何もしてないのに急に思い出す(フラッシュバック)」
「心が過敏になる(ちょっとした音にビクッとする)」
「何も感じられない(感情がなくなる)」
といったことが続きます。

人によっては、何十年も症状が続くこともある、厄介です。


管理栄養士としての私の出番

「ストレスで心が壊れた人と、食事なんて関係あるの?」
って思いますよね。実は、めちゃくちゃ関係あります。

🍴 食べすぎる人

「なんかずっと食べてる…」「夜中にお菓子が止まらない」
→ ストレス食いは人間の本能。無理もない。

でも、動けてないのに食べすぎると、どんどん体重が増える。
「太ってまたストレス…」という負のループに。

🍴 食べられない人

逆に、ストレスで何も食べられなくなる人もいます。
こういう人に「もっと食べなきゃダメでしょ!」なんて言っても逆効果。
→ 私は「いつなら少し食べられそう?」「どんなものなら口に入る?」って聞くようにしてます。


うまく付き合うには

この病気の治療法は、

  • 薬(抗うつ薬・抗不安薬など)
  • 認知行動療法(ストレスとの向き合い方を変えるカウンセリング)

が主流です。

でも、周りの理解や、寄り添いの姿勢も大切。
栄養指導では、説教よりも「話を聴く」ことに全力を注いでます。


まとめ

  • ストレス関連障害は、「心の許容量をこえた」ことで起きる病気
  • 急にガタッとくることもあるし、じわじわ壊れていくこともある
  • 管理栄養士としても、心と体の両面からサポートしています

この記事を読んで、「あ、自分もそうかも…」と思った人がいたら、
まずは「今の自分の状態」を見つめ直してみてください。

「気合で乗り切れ」は、昭和です。

自分の頑張りが足りなくない、などということは思わないで。

私たちがサポートします。


今は「自分を守ること」が最優先しましょう。

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