おなかがすかない。食べたくない。
食べたほうがいいのはわかっているけれど、箸が進まない。
そんなとき、どうすればよいのでしょうか?
この記事では、「食欲がないときに無理なく栄養をとる方法」を管理栄養士の視点からご紹介します。
特に朝食で食欲がわかない方は、こちらの記事もおすすめです。↓
食欲がないときに試したい「飲み物」
食欲がないときは、まず飲み物から栄養をとるのがおすすめです。固形の食べ物よりも胃への負担が少なく、エネルギー補給がしやすいからです。
① 糖質がとれて飲みやすい飲み物(クリアリキッド)
食欲が落ちているときに、タンパク質や脂質が入ると重く感じることがあります。その場合は、糖質中心の飲み物から始めましょう。
たとえば、紅茶やコーヒーに砂糖を入れる、清涼飲料水、スポーツドリンクなどです。
糖質が入ることで血糖が上がり、胃腸が動き始め、少しずつ食欲が戻ることもあります。
② 野菜ジュース・スムージーなど食物繊維入りの飲み物
野菜ジュース、スムージー(果物+野菜+水)、果実入り飲料など、食物繊維入りの飲み物もおすすめです。
食物繊維が入ることで、飲んだ後の血糖の急上昇・急降下をやわらげ、エネルギーを安定して保てます。
③ 牛乳・豆乳・ヨーグルトなどたんぱく質入りの飲み物
少し飲めるようになったら、牛乳、飲むヨーグルト、豆乳、プロテイン飲料など、たんぱく質を含む飲み物にステップアップしてみましょう。
栄養バランスが整い、体の回復にもつながります。
食欲がないときに食べやすい「軽めの食べ物」
無理に食べようとせず、「食べられそうなものを少しずつ」が基本です。以下に食べやすい例を紹介します。
① 冷たくて口当たりのよいもの
ヨーグルト、アイスクリーム、ゼリー、果物など。
ひんやりとした食感は喉ごしがよく、抵抗なく口に入れられます。果物は冷凍でも便利です。
② 常温・冷たい主食系のもの
お粥、おにぎり、巻き寿司、サンドイッチ、ゆで卵、サラダチキン、豆腐バーなど。
温かいと食べにくいときも、常温や冷たい状態なら食べやすいことがあります。
③ 温かい汁物・スープ類
体を温めると食欲が少し戻る場合もあります。味噌汁、コンソメスープ、そうめん汁など。
即席みそ汁やスープ缶を常備しておくと、すぐに口にできて便利です。
食欲がないときの工夫と考え方
- 無理に食べようとせず、飲み物から始める
- 食べられるときにしっかり摂る
- 冷たい・温かい・香りなど、自分が心地よい条件を探す
- 「これだけは食べられる」ものをリスト化しておく
食欲がないときは、心身の休息サインかもしれません。少しずつ整えていきましょう。
管理栄養士からのメッセージ
私はこれまで、病院や施設で多くの方の「食欲不振」に関わってきました。
治療や環境の変化、ストレスなど、原因はさまざまですが、「食べられるものを少しずつ」というアプローチが最も現実的で、多くの方に効果的でした。
この記事で紹介した飲み物や食べ物が、あなたの「少しでも食べられる」きっかけになれば嬉しいです。
【監修】アオキコ(管理栄養士)
病院で20年近く、食欲不振や病態別の栄養管理に携わる。
現在は「栄養でこころと体を整える」をテーマに情報発信中。
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